ComfyUI v0.37.0公開:高速ディスクの自動最適化とQwen・MoGe 3対応

ComfyUI v0.37.0公開:高速ディスクの自動最適化とQwen・MoGe 3対応

基本情報

項目 内容
リポジトリ comfyanonymous/ComfyUI
v0.37.0
公開日 2026-09-21
ライセンス GPL-3.0
出典の種類 公開元の一次情報(公式GitHubリポジトリのリリースノート)

収集・肉付けの時点で当サイトのコードが確定させた値です。日付はJST。

概要

画像生成や各種生成モデルの実行環境として広く使われているノードベースGUI・バックエンドツールのComfyUIにおいて、最新版となる「v0.37.0」が公開されました。ComfyUIは、Pythonで実装されたオープンソース(GPL-3.0)の強力かつモジュール化された拡散モデル向け実行基盤であり、ノードを接続して複雑なパイプラインを視覚的に構築・実行できるのが特徴です。

今回のアップデートにおける最大の変更点は、ストレージ環境に応じたディスクアクセスの自動最適化(--fast-disk の自動判別)と、Qwen系モデルに対するCUDA graphsおよびw4a8 GEMVによる高速化サポートの導入です。高速なストレージを活用したモデル読み込みの自動効率化に加え、軽量量子化や推論最適化の恩恵を直接受けられるようになり、ローカル環境での推論効率を高めたいユーザーにとって更新の価値が高いリリースとなっています。

主な変更点

高速ディスクの自動検出とデバッグ用オプションの追加

ディスクが高速であると判定された場合に、自動的に --fast-disk オプションを有効化する機能が実装されました(Aimdo 0.5.5の採用によるもの)。これにより、高速なNVMe SSDなどのストレージを使用している環境では、利用者が明示的に起動引数を指定しなくても読み込みの最適化が自動適用されます。あわせて、トラブルシューティングや検証を行いたいユーザー向けに、高速ディスク機能を無効化するデバッグ用の手段も追加されています。

Qwen3/3.5/3.8向けのCUDA graphsとw4a8 GEMV対応

Qwen3、Qwen3.5、Qwen3.8の各モデルにおいて、CUDA graphsおよびw4a8 GEMV(General Matrix-Vector Multiplication)のサポートが追加され、関連する高速化の不具合修正も適用されました。対象となるQwenモデルをローカルで動かしているユーザーは、CUDA graphsによるオーバーヘッド削減とw4a8量子化による高速な行列演算を利用可能になります。更新前後のモデル再ダウンロードは必須とされていませんが、CUDA環境でこれらのモデルを高速に推論したい場合に大きな恩恵があります。

Qwen-image 2.1およびMoGe 3への新規対応

新たなモデルアーキテクチャへの対応として、画像生成モデル「Qwen-image 2.1」および深度推定モデル「MoGe 3」のサポートが組み込まれました。これにより、ComfyUIのワークフロー内でQwen-image 2.1を用いた生成パイプラインや、MoGe 3を用いた高品質なジオメトリ・深度処理ノードを直接組み込んで利用できるようになります。

動的VRAM時の配置改善とWanのピークメモリ削減

動的VRAM(dynamic vram)機能がオンになっている場合、テキストエンコーダーを常にGPU上に配置する動作変更が行われました。また、comfy kitchen attentionを使用している際のWanモデルにおけるピークVRAM消費量が引き下げられています。さらに、SheetSage2の位置埋め込み(pos embed)の精度がアップストリームに合わせて引き下げられ、リソース消費が調整されました。VRAM容量の限界に近い環境でWanや各種モデルを動かしているユーザーの安定性向上が期待できます。

音声生成ノードの機能拡張とパートナーノードの連携強化

音楽生成関連では、YuE2 Generate MusicノードにCFG(Classifier-Free Guidance)のコントロールが追加されました。また、パートナーノードに関しても機能強化が行われており、OpenAIノードにおけるGPT Image 2の透明背景(transparent background)出力サポート、Meshy 7.1のサポート、partner-proxy呼び出し時のIdempotency-Key送信とリプレイ収集対応などが含まれています。

実行時エラーや出力ノイズの不具合修正

非bf16(bfloat16非対応)のGPU環境において、ace stepのVAEデコード処理がクラッシュしていた問題が修正されました。また、MiniMax Music 3でCUDA graphsを有効化した際にノイズが発生してしまう不具合が解消されています。パートナーノードのTripoにおいても、リンクされたGLBやFBXの出力が空になる場合のP2実行を適切に拒否するガードが追加されています。

対応モデル・ハードウェア

本バージョンでは、複数の新しいモデルアーキテクチャへの対応や、既存モデルの推論最適化、そして特定のハードウェア環境における動作改善が実施されています。

新規対応および機能拡張されたモデル

今回のアップデートにより、以下のモデルが新たにComfyUI上で利用可能、または機能が拡張されました。

  • Qwen-image 2.1: 新たにサポートが追加され、ComfyUIのワークフロー内で直接この画像生成モデルを利用できるようになりました。
  • MoGe 3: 深度推定モデルの最新版であるMoGe 3がサポートされ、より高品質な3D・深度処理が可能になります。
  • Qwen3 / Qwen3.5 / Qwen3.8: CUDA graphsおよびw4a8 GEMV(General Matrix-Vector Multiplication)のサポートが追加されました。これにより、対象のQwenモデルをローカル環境で実行する際の推論速度が向上します。
  • Meshy 7.1: パートナーノードにおいて、新たにMeshy 7.1のサポートが追加されています。
  • YuE2 Generate Music: 音楽生成ノードにおいて、CFG(Classifier-Free Guidance)をコントロールするための設定項目が追加され、生成の制御性が向上しました。
  • SheetSage2: アップストリームの仕様に合わせて位置埋め込み(pos embed)の精度が引き下げられ、リソース消費が最適化されました。

ハードウェアおよび動作環境の改善

ハードウェアの特性に応じた最適化や、特定環境における不具合の修正も行われています。

  • 高速ディスクの自動検出: SSDなどの高速なストレージを自動的に検出し、モデルの読み込みを高速化する --fast-disk オプションを自動で有効化する機能が追加されました。デバッグ用にこの自動検出を無効化する手段も提供されています。
  • 非bf16 GPU環境のクラッシュ修正: bfloat16(bf16)をサポートしていない古いNvidia GPUなどの環境において、ace stepのVAEデコード処理を実行した際にクラッシュする問題が修正されました。
  • 動的VRAM(Dynamic VRAM)の最適化: 動的VRAM機能が有効な場合、テキストエンコーダーが常にGPU上に配置されるようになり、処理の効率化が図られています。
  • WanモデルのVRAM消費削減: comfy kitchen attentionを使用している際に、Wanモデルの実行時におけるピークVRAM消費量が削減され、メモリ制限の厳しい環境での安定性が向上しました。
  • MiniMax Music 3のノイズ修正: CUDA graphsを有効にした状態でMiniMax Music 3を実行した際に、出力にノイズが発生する不具合が解消されました。

アップデート方法

ComfyUIを最新版にアップデートし、適切に動作させるための手順とシステム要件は以下の通りです。

推奨される動作環境

ComfyUIを実行するPythonおよびPyTorchのバージョンについて、以下の要件が示されています。

  • Pythonのバージョン: Python 3.13が非常に良くサポートされています。もし一部のカスタムノードの依存関係で問題が発生する場合は、Python 3.12の使用が推奨されます。Python 3.14でも動作はしますが、一部のカスタムノードで不具合が生じる可能性があります。
  • PyTorchのバージョン: PyTorch 2.7が最小サポートバージョンとなっていますが、より新しいバージョンの使用が強く推奨されています。特にNvidia 20シリーズ以降のGPUを使用している場合は、PyTorchのバージョンとして cu130(CUDA 13.0対応版)以上が必須となります。基本的には、リリースから2週間以上経過している最新の主要なPyTorchバージョンと最新のCUDAバージョンの組み合わせを使用することが推奨されます。お使いのPyTorchが6ヶ月以上古い場合は、アップデートを行ってください。

セットアップと起動手順

手動インストール(Windows、Linux)におけるマネージャーの導入および有効化手順は以下の通りです。

  1. 必要なマネージャーの依存関係をインストールします。ターミナルまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。
pip install -r manager_requirements.txt
  1. ComfyUIを起動する際、--enable-manager フラグを付与してマネージャーを有効化します。
python main.py --enable-manager

また、TLS/SSL(HTTPS)接続を有効にしたい場合は、自己署名証明書とキーを生成した上で、起動時に以下のオプションを指定して実行します。

python main.py --tls-keyfile key.pem --tls-certfile cert.pem

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出典

本記事の執筆にあたり、以下の公式リソースおよびプルリクエストの情報を参照しました。