「unsloth」v0.1.810-beta公開:マルチユーザー対応とDocker刷新

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リポジトリ | unslothai/unsloth |
| 版 | v0.1.810-beta |
| 公開日 | 2026-09-17 |
| ライセンス | Apache-2.0 |
| 出典の種類 | 公開元の一次情報(公式GitHubリポジトリのリリースノートが出典) |
収集・肉付けの時点で当サイトのコードが確定させた値です。日付はJST。
概要
ローカル環境でLLM(大規模言語モデル)や画像生成などの拡散モデルを実行・微調整(ファインチューニング)するためのオープンソースツール「unslothai/unsloth」の最新バージョン「v0.1.810-beta」がリリースされました。
unslothai/unslothは、Pythonを主要言語とし、Apache-2.0ライセンスで公開されているプロジェクトです。GitHubでは76,294のスター数を獲得しており、GGUFやMLX、Qwen3.8、DeepSeek-V4、MiniMax-H3、Gemma 4、FLUXなど幅広いモデルやフォーマットをサポートするローカルUIおよびファインチューニングツールとして人気を集めています。
今回のアップデートでは、マルチユーザーアカウント機能の搭載、Dockerイメージの刷新、AMD RDNA1/RDNA2やWindows ARM64などのハードウェアサポート拡大、チャットおよび推論(Reasoning)機能の強化など、ローカルLLMユーザーにとって極めて重要な機能追加と改善が行われています。
主な変更点
マルチユーザーアカウントの導入
ローカル環境や共有サーバーで複数人が利用できるように、マルチユーザーアカウント機能が追加されました。「Settings > Accounts」からワンタイムセットアップコードと個別のパスワードを使用してアカウントを作成できます。各ユーザーのチャット、プロジェクト、認証情報、トレーニングデータは個別に分離されますが、設定が一致している場合はロードされたモデルを共有して効率的に利用できます。なお、既存のシングルユーザーとしての挙動はそのまま維持されます。
Dockerイメージの刷新
Dockerイメージがアップデートされ、イメージサイズが軽量化されたほか、Studioのデータがボリューム上に永続化されるようになりました。これにより、アプリケーションコードを固定することなく、アップデートや生成されたパスワード、カスタムポートの設定、パッケージの保持が容易になりました。また、GPUホスト上でのUnsloth独自のトレーニングパッチが復元されたほか、ローカルで動作しているLM Studio、Ollama、HermesモデルをDockerインストール環境から自動検出できるようになっています。さらに、CUDA向けだけでなくLinuxホスト用のAMD ROCmイメージも新たに追加されました。
チャット・推論(Reasoning)機能の強化
チャットUIにおいて、キューに入ったプロンプトの編集、並べ替え、ステアリング(誘導)が可能になりました。これはローカルモデルのロード中であっても操作可能です。また、GGUFモデルにおける推論バジェット(reasoning budgets)の設定、デスクトップUIのインターフェーススケーリング、チャット幅の調整、よりコンパクトなコンポーザーが追加されています。長時間の推論実行時の応答性向上や、チャット履歴の保存、ツール実行によって生成されたファイルや画像のハンドリングも改善されています。
セキュリティとサンドボックスの強化
認証情報の保護とツール呼び出しの検証が強化されました。サンドボックス外のファイルにアクセスする際には承認要求が表示されるようになります。また、サポートされているLinuxおよびmacOSホスト向けに、OSレベルのツールサンドボックス機能がプレビューとして追加されました。ネットワークアクセスは制限されませんが、OSレベルの隔離が利用できない場合でも、自動モードによって既存の保護策が維持されます。
トレーニングとインストールの改善
「Data Recipes」からのデータセットダウンロード機能が追加されたほか、16-bitフルファインチューンのエクスポート、LoRAの保存、Hugging Faceの「Push to Hub」に関する不具合が修正されました。また、コンテナシャットダウン時におけるチェックポイント保存や、トレーニング時のメモリ見積もり、データセット処理が改善されています。コア部分では、正規化、RoPE、Q-GaLore、分散デバイス選択などの修正が行われています。Windows環境でのインストール信頼性向上や、GPUパッケージの修復、オフラインインストールの検証なども実施されています。
研究・API機能のアップデート
「Deep Research」機能において、未完成のレポートがより適切に保存されるようになり、JSON出力の処理や、証拠が得られなかった実行のレポートが改善されました。スキャンされたPDFのアップロード時には、ローカルOCRへのフォールバックが機能します。また、/v1/chat/completions エンドポイントでのビデオ入力対応や、API経由でのインストール済みOllamaモデルへのアクセスが追加されています。
対応モデル・ハードウェア
本バージョンでは、以下のハードウェアおよびモデルに関連する対応が追加・改善されています。
- AMD GPUサポート: ROCm Dockerイメージが追加されたほか、AMDのRDNA1およびRDNA2アーキテクチャがサポートされました。
- Apple Silicon (MLX): ビデオ入力への対応、オプションのMoE(Mixture of Experts)およびデコード最適化が統合され、マルチモーダルチャットの信頼性が向上しました。
- Windows ARM64: Windows ARM64環境向けに、ネイティブなデスクトップパッケージングが追加され、トレーニングおよび推論がサポートされました。
- Ascend NPU: デバイス検出機能が追加されました。
- NVIDIA GPU: Windows環境でのGPU検出とリカバリの向上、NVLinkチェックの改善、ユーザーによるGPU優先順位指定に対応しました。
- Qwen3.5: GRPO(Group Relative Policy Optimization)の改善に伴いQwen3.5がサポートされたほか、推論を高速化する
fast_inferenceが利用可能になりました。
アップデート方法
既存の開発者向け(ナイトリー/実験的)インストール環境をアップデートするには、以下の手順を実行します。
macOS、Linux、WSL環境の場合
ターミナルで以下のコマンドを実行し、リポジトリを最新化して再インストールを行います。
cd unsloth && git pull
./install.sh --local
unsloth studio -p 8888
Windows (PowerShell) 環境の場合
PowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
cd unsloth; git pull
.\install.ps1 --local
unsloth studio -p 8888
前回の記事からの更新履歴
当サイトがGitHubのリリース一覧から機械的にまとめた、この版と前回取り上げた版の間に出た版です(単独記事にはしていません)。 全ての版はエンジン別ページにあります。
| 版 | 公開日 | リリースノート |
|---|---|---|
| Windows-ARM64(Windows ARM64 Binaries) | 2026-09-16 | GitHub |
| v0.1.808-beta(Large Performance Gains + Fixes) | 2026-09-10 | GitHub |
| v0.1.807-beta(Large Perf Improvements + Fixes) | 2026-09-08 | GitHub |
| v0.1.806-beta(2x Faster Qwen3.8-Flash + GLM-5.3-Flash MTP) | 2026-09-02 | GitHub |
| v0.1.805-beta(2x Faster Qwen3.8-Flash + GLM-5.3-Flash MTP) | 2026-09-02 | GitHub |

