AIエンジン「LocalAI v4.11.0」公開、フェイルオーバー機能や音声認識・3Dモーション生成に対応

AIエンジン「LocalAI v4.11.0」公開、フェイルオーバー機能や音声認識・3Dモーション生成に対応

基本情報

項目 内容
リポジトリ mudler/LocalAI
版 v4.11.0
公開日 2026-10-03
ライセンス MIT
出典の種類 公開元の一次情報(公式GitHubリリースページが一次情報)

情報を集めた時点で、当サイトのコードが確定させた値です。日付はJSTで表示しています。

概要

Go言語で記述され、MITライセンスで提供されているオープンソースのAIエンジン「mudler/LocalAI」のバージョンv4.11.0がリリースされました。LocalAIは、特定GPUに依存せず様々なハードウェア上でLLM、ビジョン、音声、画像、動画などのモデルをローカル実行できるソフトウェアです。本バージョンにおいて利用者に最も大きな影響を与える変更は、複数のローカルおよびリモートのモデルを単一のモデル名配下にまとめ、障害時に自動で切り替える「モデルフェイルオーバーチェーン」が導入されたことです。これにより、ローカルLLM運用の冗長性と利用可能性が大きく向上します。

主な変更点

モデルフェイルオーバーチェーンと localai-proxy の導入 1つのモデル名に対して、優先順位を付けたターゲット(ローカル/リモート)のチェーンを設定できるようになりました。応答が確定する前に通信エラー、サーバーエラー、メモリ不足(OOM)、レート制限などの障害が発生した場合、LocalAIが次のターゲットへ自動的にリトライを行います。あわせて管理用の GET /api/failover などのAPI、リアルタイムな正常性監視、応答ヘッダー(X-LocalAI-Served-Model)での通知機能が提供されます。また、他のLocalAIエンドポイントへ透過的にリレーする localai-proxy バックエンドも追加されました。

音声シーン認識と話者識別・登録機能 parakeet-cpp バックエンドにおいて、音声データを単なる文字起こしだけでなく「シーン」として総合的に処理できるようになりました。1つのモデルで文字起こし(ASR)、話者分離(diarization)、音声イベント検出を同時に実行可能です。さらに、Studio画面に話者登録用のUIが追加され、録音データのクリアな区間をプレビューしながら名前を付けて登録できます。登録されたプロファイルは共有音声レジストリに保存され、以降の処理で話者名(speaker_name)として自動識別されます。

決定モデルと /v1/systemone APIのサポート 構造化された選択、スコアリング、ゼロショット抽出を行う「決定モデル(Decision models)」が正式な機能として導入されました。モデル設定で known_usecases: [decisions] を指定することで有効化され、POST /v1/systemone エンドポイント経由で利用できます。リクエスト時には64 KiBのボディサイズ制限や最大64件の質問数制限、選択肢やレベルのバリデーションが実行されます。ギャラリーには Laya や GLiNER2.5-Decide などの決定モデルも追加されています。

署名付きOCIモデルギャラリーによる安全な配信 モデルギャラリーをOCIアーティファクト(oci://host/repository:tag)として直接配信・取得できるようになりました。LocalAIはタグからダイジェストを解決し、Sigstoreポリシーに基づく署名検証を行った上で安全にキャッシュを展開します。展開時にはファイルパスの隔離や層数の上限チェックが行われ、別個のWebインデックスを用意することなく信頼性の高いギャラリー構築が可能になります。

Kimodoテキストアニメーション(3D骨格モーション生成) テキストから3D骨格アニメーションを生成する kimodocpp バックエンドと POST /3d/animate エンドポイントが追加されました。UTF-8のテキストプロンプトを指定することで、30 FPSのバイナリglTF(.glb)アニメーションデータを生成します。フレーム数は60〜150フレームに対応し、CPUおよびVulkan環境で動作します。Studio画面でのプレビューやローカル履歴管理にも対応しています。

単一ホスト向け運用管理画面(Operate → This machine) 分散モードを使用していない単一ノード環境向けに、ホスト管理画面「Operate → This machine」が実装されました。VRAM、RAM、CPU、モデル用ストレージの使用率を表示するゲージに加え、現在稼働中のモデル一覧を表示します。Web UI上から各モデルの占有メモリやPIDを確認でき、バックエンドログの閲覧やモデルの個別停止操作を直接行うことが可能です。

対応モデル・ハードウェア

本バージョンではモデルギャラリーの登録数が1,847件から1,926件へと79件拡充され、音声認識・話者分離、決定処理、テキスト生成など幅広い領域で多数のモデルが新たに対応しました。また、ハードウェア検出の安定化も行われています。

NeMo 音声認識・話者分離モデル

nemo-speech-cpp バックエンド向けに、NeMo由来のストリーミング音声モデルが新たに追加されました。
– 単体話者分離: nemo-speech-cpp-sortformer-diarization-v2(nvidia/diar_streaming_sortformer_4spk-v2)により、最大4話者のストリーミング話者分離を /v1/audio/diarization で実行できます。
– 単体音声認識(ASR): 多言語ストリーミング対応の nemo-speech-cpp-nemotron-3.5-asr-streaming(nvidia/nemotron-3.5-asr-streaming-0.6b)および25言語対応の nemo-speech-cpp-parakeet-tdt-0.6b-v3(nvidia/parakeet-tdt-0.6b-v3)が /v1/audio/transcriptions で利用可能です。
– ASRと話者分離の統合: nemo-speech-cpp-nemotron-3.5-asr-streaming-diarized や nemo-speech-cpp-parakeet-tdt-0.6b-v3-diarized では、diar_model オプションを通じてSortformerを結合し、文字起こしの単語単位で話者タグを付与できます。

Piper 音声合成モデル(イタリア語)

Piperバックエンド向けに、高品質なイタリア語のコミュニティ音声モデル4種(ONNX形式および設定ファイル)がギャラリーに加わりました。
– voice-it_IT-ugo-medium
– voice-it_IT-aurora-medium
– voice-it_IT-giorgio-high
– voice-it_IT-leonardo-high

決定モデル(Decision models)

vllm-cpp バックエンドを中心に、構造化決定タスクを担うモデルが多数追加されました。
– Laya
– CUA-S1 forms
– GLiNER2.5(GLiNER2.5-Decide)
– Qwen3-VL
– Tev1
– kev
– Nimble
– CLM

LLMおよび各種モデルの拡充・整理

テキスト生成・推論向けモデルとして、以下のGGUFバリアントや派生モデルが多数登録されました。
– Qwen派生・コミュニティモデル: NeoHorse(NeoHorse-1-9B、公式NeoHorse 4B)、Qwen3.8 Distill(Qwen3.8 35B Distill)、Qwen3.8 Cyber、ByteShape、Flash Next GSQ-RCO、Occamy(Occamy-1.0)、Hy-MT2(Hy-MT2 7B)、Maple Preview(Maple-Preview)
– llama.cpp向けGGUFモデル: Hemmingway-1(Q4_K_M、Q8_0形式。32Kコンテキスト対応)、MiMo Distill Qwen 9B、Sharp-Spark、Swift 1.5 GSQ-RCO、ThinkingCap、Agention、Qwopus Flash V2、Cyber-Tiel-Coder、Cyber-Ornith

なお、チャット用モデルとして登録されていた qwen-image-2.1-uncensored は、実際には拡散モデルの重みでありllama.cppで正しく動作しないため、ギャラリーから削除されました。画像生成には stablediffusion-ggml 向けのバンドルを利用するよう案内されています。

ハードウェア対応と検出機能の改善

  • AMD APU: システム情報取得機能(xsysinfo)が改修され、APUのVRAM検出においてGTT(Graphics Translation Table)メモリが正しく合算されるようになりました。
  • Intel GPU: プローブ処理の修正により、起動時に発生していたハングアップが回避されます。
  • Kimodo(3Dアニメーション): 追加された kimodocpp バックエンドは、CPU実行に加えてVulkan環境でのアクセラレーションに対応しています。

アップデート方法

今回のリリースにおける具体的なインストールコマンドは公式ドキュメントおよびリリースページをご確認ください。LocalAIをお使いの環境に合わせて、最新のコンテナイメージの取得やバイナリの更新を行ってください。

詳細なリリースノートや各プラットフォーム向けバイナリのダウンロードは、GitHubリリースページから確認できます。

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