「Edge0-35B-A3B-preview」スマホクラスで動く35BのMoEモデル:必要VRAM 24GB〜

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リポジトリ | Edge0/Edge0-35B-A3B-preview |
| 公開日 | 2026-09-08 |
| ライセンス | apache-2.0 |
| 配布形式 | MLX / safetensors |
| 論文 | arXiv:2609.18063 |
| 出典の種類 | 公開元の一次情報(公式組織Edge0のHFリポジトリ) |
情報を集めた時点で、当サイトのコードが確定させた値です。日付はJSTで表示しています。
当サイトで確かめたこと
- Qwen3 のトークナイザより約21%少ないトークンで同じ日本語を表せます。同じ文脈長に入る日本語が約1.26倍になり、生成も1字あたりで速くなります。
詳しい値と条件は、下の「当サイトでの実測」の節にあります。
概要
Edge0は、スマホクラスのメモリ環境で動作する35BクラスのスパースMoEモデル「Edge0-35B-A3B-preview」を公開しました。配信用のストリーミング推論フレームワーク「edge0」を利用し、4-bit量子化モデルとLoRA・prerouterアダプターを統合して動作させるプレビュー版となっています。
スペック
- アーキテクチャ: Qwen3_5MoeForConditionalGeneration (Qwen3_5_MoE)
- パラメータ数: 34.7B
- 層数: 40
- エキスパート数 / 1トークンあたりのアクティブ数: 256 / 4 (K=4)
- 隠れ層サイズ: 2048
- ライセンス: Apache 2.0
- フレームワーク: edge0 (MLXバックエンド)
性能
公開元による測定では、fp16のベースモデルであるQwen3.5-MoE 35B-A3Bと比較して平均3.9ポイントの低下に抑えられています。各種ベンチマークのスコアは以下の通りです。
| Benchmark | edge0-35b (int4) | Qwen3.5-MoE 35B-A3B (fp16) |
|---|---|---|
| AIME 2026 | 86.6 | 92.7 |
| HumanEval | 90.9 | 95.1 |
| GPQA-Diamond | 79.8 | 81.8 |
| MMLU-Pro | 81.0 | 84.6 |
| IFBench | 57.9 | 61.7 |
| Average | 79.2 | 83.2 |
実測されたパフォーマンスは以下の通りです。
| Decode speed | Prefill throughput (cold / warm) | Peak active memory* |
|---|---|---|
| 14.9–17.7 tok/s | 113 / 140 tok/s | 2.9 GiB |
※短いコンテキストでの計測値。長文ではKVキャッシュが追加されます。エキスパートウェイトはSSDからオンデマンドでストリーミングされ常駐しません。
これらのスコアから、int4化による量子化ロスが少なく抑えられており、競技数学(AIME)やコーディング(HumanEval)、科学の難問(GPQA Diamond)、一般知識・推論(MMLU-Pro)の各分野においてベースモデルと近い水準の性能を維持していることがわかります。一方で、プレビュー版の制限としてエージェント系タスクへの最適化はまだ進んでいません。
得意なこと・想定用途
- GPU VRAMが枯渇しつつも高速なストレージ(NVMeや内蔵フラッシュ)が利用可能なエッジ・オンデバイス推論
- 単一のホストマシンでのバッチサービング(1つの読み取り専用ベースで複数のLoRAアダプターセットを再量子化なしで共有)
- 付属のチャットテンプレートによる多言語チャットおよび推論(思考モード有効)
動作環境
動作環境の目安(Local Model Watch 算出) — パラメータ数 36.0B(元モデル Qwen/Qwen3.6-35B-A3B の値)
| 手持ちのVRAM | 選べる量子化 | ファイルサイズ | 必要メモリの目安 |
|---|---|---|---|
| RTX 4090 / 3090 など 24GB | MLX 4bit | 18.2GB | 21.8GB |
推論エンジンの対応状況(各プロジェクトのソースにあるモデル登録表とアーキテクチャ名を当サイトが機械的に照合。2026-11-03 時点): llama.cpp: 登録あり、vLLM: 登録あり、MLX (mlx-lm): 登録あり。
必要メモリは配布ファイルの実サイズに実行時のオーバーヘッド(KVキャッシュ等)を20%見込んだ概算で、文脈長・バッチサイズ・推論エンジンによって増減します。公開元の公称値ではなく、当サイトがファイルサイズから機械的に算出した値です。 他のモデルとの比較はVRAM別の早見表を参照してください。 量子化の名前の読み方は用語集にあります。
手元で動かせるか
現時点では Ollama・LM Studio・llama.cpp で動かせません(GGUF版を確認できていない)。
公開元の配布は MLX / safetensors のみです。ただし llama.cpp の登録表にはこのモデルのアーキテクチャ名があるため、GGUFへの変換自体は可能な状態で、変換版が公開されれば動くようになります。現時点で動かすなら transformers(PyTorch)・vLLM・MLX (Apple Silicon) で読み込む形になり、必要メモリは上の表のとおりです。
ライセンス apache-2.0(商用利用可): 商用利用を含めて自由に利用・改変・再配布できます。再配布時にライセンス文と変更点の告知が必要で、特許の許諾条項があります。
量子化の圧縮率: MLX 4bit は実測 4.35 bit/weight で、元の16bitの重みの約27%のサイズです(配布ファイルの実サイズから当サイトが算出)。
配布形式・当サイトが見つけた変換版・各推論エンジンの登録表を突き合わせた判定です。「確認できていない」は当サイトが見つけていないという意味で、存在しないことの断定ではありません。ライセンスの要約は法的助言ではないため、実際の利用にあたっては公開元の原文を確認してください。
当サイトでの実測
当サイトのサーバー(GPUなし)で、このモデルのファイルを実際に読み込み・動かして確かめた値です。モデルカードの記載ではなく、当サイトが測った結果です。測り方と全モデルの一覧は観測データにまとめています。
日本語のトークン効率
| トークナイザ | 日本語1,000字あたりのトークン数 | 同じ内容の英文との比 |
|---|---|---|
| このモデル | 546 | 0.99倍 |
| Qwen3 | 688 | 1.26倍 |
| Llama 3.2 | 744 | 1.36倍 |
| Gemma 3 | 564 | 1.03倍 |
| gpt-oss | 795 | 1.45倍 |
| LLM-jp-3 | 497 | 0.85倍 |
Qwen3 のトークナイザより約21%少ないトークンで同じ日本語を表せます。同じ文脈長に入る日本語が約1.26倍になり、生成も1字あたりで速くなります。
Edge0/Edge0-35B-A3B-preview の tokenizer.json で、当サイトが書き下ろした固定の文章(876字。ニュース・会話・技術文書・敬語のメール・紀行文・料理の6種)と、同じ内容の英文を数えました。トークン数が少ないほど、同じ文脈長に長い日本語が入ります。
同クラスの既報モデル
当サイトが最近取り上げた、パラメータ数 15〜40B のモデルを、比較のために記事ログからコードが並べたものです。VRAM階層は当サイトの概算、ライセンスはモデルカードの記載です。
→ 横にスクロールできます
| モデル | パラメータ数 | 最小のVRAM階層 | ライセンス | 記事 |
|---|---|---|---|---|
| elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b | 32.1B | 80GB | apache-2.0 | 推論モデル「ELYZA-Thinking-1.0」の32B/33Bモデル公開(2026-10-02) |
| XingChen-AGI/Xing4.0-29B-A4B | 31.2B | 24GB | apache-2.0 | 「Xing4.0-29B-A4B」テキスト生成モデル:当サイトでの回答例・必要VRAM 24GB〜(2026-09-28) |
| Altworld/Hemmingway-1 | 26.9B | 12GB | cc-by-nc-4.0 | 「Hemmingway-1」日常文章特化の言語モデル:必要VRAM 12GB〜・GGUF版あり(2026-09-28) |
| orcarouter/OrcaSAQ-2-27B | 27.8B | 16GB | apache-2.0 | 「OrcaSAQ-2-27B」テキスト生成モデル:当サイトでの回答例・必要VRAM 16GB〜(2026-09-28) |
| prism-ml/Ternary-Bonsai-2-27B-gguf | 27.8B | 8GB | apache-2.0 | 「Ternary-Bonsai-2-27B-gguf」テキスト生成モデル:当サイトでの回答例・必要VRAM 8GB〜(2026-09-18) |
入手方法
pip install -e 'git+https://github.com/Edge0-AI/edge0.git#egg=edge0[fetch]'
# Download this repository into a local directory
huggingface-cli download Edge0/Edge0-35b-a3b-preview --local-dir./Edge0-35b-a3b-preview
# Run it
export EDGE0_35B_MODEL=$PWD/Edge0-35b-a3b-preview
edge0 chat --name edge0-35b --prompt "Introduce yourself"
# Or serve an OpenAI-compatible HTTP API
edge0 serve --name edge0-35b --port 8085
関連記事
次に読むなら
- GPUのVRAMから探す(このモデルは24GBの階層から動きます) → 24GBのGPUで動くほかのモデル
- このモデルを動かすエンジンを調べる → vLLM
- このモデルを入手できる形式を調べる → MLX形式の解説と対応モデル
- 同じ用途の他のモデルを探す → テキスト生成のモデル一覧
- 記事に出てくる AIME・HumanEval・GPQA Diamond の読み方を知る → ベンチマーク用語集
出典
更新履歴
- 2026-09-24: 記事の組み立てを更新しました: 「手元で動かせるか」の判定(配布形式・変換版・推論エンジンの登録表・ライセンス・実測の圧縮率)を追加
- 2026-09-25: タイトルを、記事で分かる内容(必要VRAM・配布ファイル等)を示す形に変更しました。
- 2026-09-28: 当サイトでの実測(日本語のトークン効率)を追加しました。

